計算尺
縁あって工業高校電気科に入学した勉強嫌いの私は、卒業後の就職先を求めることを前提に一から勉強を始めました。
工業高校はいいもので、専門科目は全員「はじめの一歩」から始まり劣等感の無い環境でした。
数学は嫌いな方では無かったので、当時のハンディ計算機「計算尺」にのめり込みました。
1870年代初めは高度成長期の最終ステージの時代です。
資格を持って大手企業に入ろうと、子供ながら安定志向を抱いていたようです。
計算尺について
計算尺は固定と可動尺があり、真ん中の可動尺を左右に移動させ両方の目盛りを合わせて結果を導きます。
x÷が得意ですが+-は出来ません。
そこがそろばんと違う点です。
利用目的から言えば計算尺は工業系、そろばんは商業系です。
現在の電卓は何でも出来ますね。
扱える数値は3桁です。
アナログ目盛りなのでそれが限界です。
例えば 123x3.14
計算の約束事
先に位を指数に変える
結果は1桁を想定して桁数を記憶する
方法
計算結果を1桁とする為、1×102 x 3 =3×102を暗算で記憶します。
計算尺の結果からは 386 が読み取れるので、結果は3.86×102 です。
簡単ですね。
例題として、123÷4.56x78.8= も4級で出題されます。
私は日本商工会議所検定2級まで取りましたが、後になって思うのは計算尺を覚えたことより、暗算でx÷算が出来る様になったことです。
電力 P=VxI [W]
電気のイロハ「オームの法則」も V=IxR I=V÷R
x÷算が色々な場面で使われます。
今は車もW 表記です。
工業高校では専門クラブの電気工事クラブと、弱電部(アマチュア無線クラブ)へ入りました。
今では見かけなくなった「がいし引き配線、配管、Fケーブル配線」を先輩に教えて貰った記憶があります。
電気用品取締法という法規をこつこつと覚えた記憶が残っています。
いずれしにしても、受験勉強の無い工業高校3年間で劣等感も無くなり、次へ繋げる準備が出来たのだと感じます。
ただ、運悪く就職時期が不況と重なり大手企業の募集がゼロとなり、大学へ進学したのが良かったのでしょうか?
メーカー勤務時代へと続きます。