ダントツ!センサスイッチ
1.空気圧機器とは?
今回から空気圧シリンダ用センサスイッチについて解説致します。
空気圧機器用センサスイッチを知らない方が多いのではないかと思いますが、実は近接スイッチの中で出荷No1が空気圧機器用センサスイッチです。
そこで、今回は空気圧機器から紐解いていきたいと思います。
空気圧機器は、毎年フルードパワー工業会から油圧・空気圧・その他の出荷統計が発表されています。
2017年度の空気圧機器は4千9百億円と一年前より20%成長している市場です。
空気圧機器には電磁弁・シリンダ・その他でそれぞれ1/3、輸出は半分となっています。
Fig4-1.空気圧機器の種類 ㈱コガネイ カタログ引用
センサスイッチはJIS用語ではシリンダ位置検出スイッチと定義されていますが、ここではメーカの呼び名通りセンサスイッチと呼びます。
センサスイッチはシリンダに付属する必需品です。
シリンダの市場規模は約1千6百億円より、センサスイッチの推定規模は1/5としても8百億円~となります。
近接スイッチとしてはダントツの規模です。
複動シリンダをバルブで動かした時、シリンダピストンの位置が分かりません。
そこで、ロッド先端にドグを付けます。
空気圧機器が日本に上陸した頃は、こんな使い方をしていました。
そこで、シリンダのチューブに近接スイッチを付けてそのわずらわしさを省いたのが今のセンサスイッチです。
これにより空気圧機器を使った装置の信頼性が格段にアップし急成長しました。
自動化=空気圧機器 といっても間違いではありません。
2.センサスイッチとは
Fig.センサスイッチ付きシリンダ ㈱コガネイ カタログ引用
シリンダのチューブにバンドで固定したセンサスイッチはピストンの横内蔵された磁石の磁界を検出し、センサスイッチのバンド取付位置を変えることにより、どの位置で検出するかを簡単に変更出来ます。
シリンダのロッドは磁石の磁界を乱さない様にする為、非磁性体のSUS系が金属を主に用いています。
ロッドの終端にピストンがあり、ピストンパッキンで空気の内部漏れを防いでいます。
樹脂製ピストンで磁石がサンドイッチされています。
Fig.センサスイッチ付きシリンダ ㈱コガネイ カタログ引用
センサイスイッチには動作範囲、応差、最高感度位置の3つの用語があります。
ここまでセンサスイッチの簡単な説明をしましたが、深い知識がなくても手軽に使えるのがセンサスイッチの最大のメリットです。
3.センサスイッチの動作原理
センサスイッチを検出方式で分けると、リードスイッチを用いた有接点式と磁気抵抗センサを用いた無接点式があります。
ここではMRセンサ(強磁性体磁気抵抗センサ)を用いた無接点式の一般的な検出原理を説明します。
空気圧用シリンダに用いる被検出用磁石は円筒形と円柱形状が用いられ、磁石の磁界分布はFig.の様になります。
Fig.磁束密度の関係
ハーフブリジで使用されることが一般的で、その時の検出範囲内での磁界は回転磁界に近似されFig.のような出力が得られます。
Fig.センサーとその出力